初めて 「硬筆書写技能検定」 を受けると決めたとき何級から受けたらいいの?と悩みますよね。
「書写技能検定」には受験資格がありません。
なので何級からでも受けられます。
何級からでも受けられるのでいきなり最上位の1級を受けることもできます。
実際私も初めて硬筆書写検定を受ける際に悩みました。
「勉強すればギリギリ合格できそうなレベルを受けたいな」と。
でも、自分の実力と書写検定のレベルがわからないので迷ってしまいますよね。
そこで結論としては、
「習字経験が無い人は3級」、「若干字を書くことに自信がある人は準2級・2級」
大人であれば3級からでOK。
基本からきちんと練習していけば受かるレベルが個人的には「3級」だと思います。
(私が受験した会場は色んな級の受験者が同じ会場で受験しましたが、4級以下を受けているのはほとんどが小学生でした。)
硬筆書写技能検定の3級・2級のレベル
書写技能検定は文部科学省後援の試験で、書写の技術と知識が問われます。
書道の経験に関わらず誰でも受験できるところが特徴である試験です。
書写技能検定試験は6級、5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級と全部で8つの級に分けられていて、何級からでも受けられます。
数字が小さいほど難しい階級。
1級が一番難しく、6級が一番基礎となります。
1級は指導者レベルの実力がなければ合格ができないかなりハイレベルな試験です。
ちなみに1級合格者は希望すれば指導者としての実力を認められ、「指導者証」を交付してもらえます(有料)。
今回は「3級」「準2級」「2級」の求められるレベルがどの程度か見てみましょう。
書写検定の公式HPで下記のように書かれています。
【3級】
中学生・高校生程度
硬筆書写一般の技術及び知識をもって書くことができる。
【準2級】
高校生・大学生・一般社会人程度
硬筆書写のやや専門的な技術及び知識をもって書くことができる。【2級】
高校生・大学生・一般社会人程度
https://www.nihon-shosha.or.jp/pen.html
硬筆書写の専門的技術及び知識をもって書くことができる。
他の級についてはHPで(硬筆書写技能検定の概要について)。
2級では専門的な知識が必要で、3級や準2級よりも少しレベルが高くなります。
実際、初めて受験する大人の方ではだいたい3級から受ける人が多いようです。
各級の受験者数を見ても3級受験者が一番多いです。
硬筆3級・2級の問題形式
3級と準2級、2級では出題範囲が若干違ってきます。
3級より2級のほうが出題範囲が広いものの、そこまで変わりません。
範囲というよりは書写能力の違いが級によってはっきりしていると言えます。
試験では実技問題と理論問題の二つが出題され、実技では3級が「はがきのあて名」を書かせる問題だったのが、2級では「はがきの本文」になるような違いです。
理論問題では2級に旧字体や書写体が追加されたり、草書を文中で読むもの(3級)が熟語で問われる(2級)になったりする点が違ってきます。
———-実技———-
【3級】
速書き、漢字10文字(楷書・行書)、縦書き、横書き、はがきのあて名、掲示文(横書き)
【準2級・2級】
速書き、漢字10文字(楷書・行書)、縦書き、横書き、はがきの本文、掲示文
———-理論———-
【3級】
漢字の部分の名称、常用漢字の楷書の書き順、草書を文中で読む、漢字の字体
【準2級・2級】
常用漢字の楷書と行書の筆順、草書を熟語で読む、文字の歴史、漢字の部分の名称、漢字の字体、旧字体と書写体を常用漢字に直す(2級のみ)
https://www.nihon-shosha.or.jp/pen.html
硬筆3級・2級の合格ライン
あとは合格ラインが違うので、字のバランスや美しさの基準が3級と2級では異なっていきます。
理論問題は答えが合っているか間違っているかのどちらかなので勉強の際に実力の判断がしやすいですが、実技問題は採点者(主催者)側の判断によるところが大きいので、勉強期間中に実力がどの程度にあるのか判断しにくいのが難点です。
3級 | 実技 415点以上/600点満点中 | 理論 275点以上/400点満点中 |
---|---|---|
準2級 | 実技 445点以上/600点満点中 | 理論 285点以上/400点満点中 |
2級 | 実技 475点以上/600点満点中 | 理論 295点以上/400点満点中 |
独学で合格できるラインは3級
個人的な感覚で言うと、完全独学で妥当に合格できるボーダーラインは3級だと考えます。
では独学で3級に合格するためにはどうすればいいかというと、市販のペン字練習帳と書写検定用問題集を併用して勉強することです。
(↓このテキストは書写検定受験者なら知ってるであろう有名な問題集でおすすめです。)
受験は1回だけなのか、上を目指していくのか
何級を受けるか迷っている人には「習字経験があるかないか」と「独学か習うのか」で述べてきました。
しかしもう一つ重要なことがあって、「目標によっても初めて受験する級を決めても良い」と思います。
私の話で恐縮ですが、初めての受験では「2級」を選びました。
小学生のころに多少習字の経験があったからというのもありますが、若干無謀とも思える挑戦でした。

なぜちょっと背伸びをしたレベルを受けたのかというと、「将来的には1級に合格する」という目標があったからです。
ここで仮に2級に落ちたとしてもそこで勉強が終わるわけではなく、「また受けたらいいだろう!」という考えがありました。
なので次回もまた受けるつもりがある人は若干背伸びをしたくらいの級を狙うのもアリです。
逆に1回だけしか書写検定を受けるつもりが無くて、とりあえず合格が欲しいという人は確実に狙える級を受けるのがベストでしょう。
国内にはいろんな流派の書道会がありますが、今回ご紹介した「書写技能検定」は誰でも受験できる点と、客観的に技術と知識を問われる点が魅力的な試験です。
合格証書が届いた時は本当に嬉しいです。
この記事を読んでくださったあなたも合格を目指して美文字を身につけていきましょう。
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