【ネタバレ感想】映画「悪人」個人的に今まで観た中でベスト3には入る感動作、他人を求める純粋な愛が苦しすぎた傑作

映画
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2010年に公開された映画。

原作は作家の吉田修一さんの小説です。

深津絵里さんと妻夫木聡さんW主演で、殺人を犯した男とその男を愛した女の逃避行を描いた物語。

映画は観た人によって色んな解釈があると思っているので、今回のぼくの感想は一般的な解釈と違うかもしれないというのは百も承知で述べていきます。

特にこの映画は観方によって感情移入の仕方が変わってくるおもしろい作品。

あらすじ

芥川賞作家・吉田修一の最高傑作を、李相日監督が渾身の映画化。主演の深津絵里がモントリオール世界映画祭最優秀女優賞を受賞、作品も2010年度キネマ旬報ベストテン第1位に選ばれた傑作。ひとつの殺人事件。殺した男と愛した女。引き裂かれた家族。さまざまな視点から事件の真相が明らかになるにつれ、観る者に「いったい誰が本当の“悪人”なのか」を問う。悪意にまみれたこの現代で、ひとは何にすがって生きれば良いのか。人間の善悪を深くえぐる演出と豪華キャストによる究極のヒューマンドラマ。

https://filmarks.com/movies/28794

誰が本当の悪人かとかいうレベルの物語ではない。

人間のこわさや純粋さが社会でどう蠢いているか感じられる、社会の神髄に触れるような映画。

個人的には二人のピュアさが好きだった。。

キャスト

深津絵里、妻夫木聡、岡田将生、満島ひかり、塩見三省、光石研、宮崎美子、永山絢斗、樹木希林、柄本明

映画「悪人」おすすめの人

暗い暗い映画が好きな人

人の気持ちを考える優しい人

泣きたい人

純愛とみるか、逃走劇とみるか

ぼくはこの映画を見終わったあと、控えめに言って一週間ほど頭からこの映画が離れませんでした。

この世の中に、パートナー間の愛でこれほど深いものを持ったカップル・夫婦はいるのだろうかと思ったほどです。

ぼくはこの映画を純愛、愛とは何なのか(←どした?笑)という見方で無意識に観ていました。

ただ逆に、これは殺人犯とその男を愛した女性の逃避行物語だと見る人もいると思います。

映画の後半は二人の孤独と絶望感全開ですもんね。

もう途中から見てられんくなるほどで、ハッピーエンドがあり得ない二人を、それでも誰かこの二人を救ってくれと願わずにはいられない。

個人的にはよく見かける恋愛映画と比べ物にならない程切ない映画です。

「悪人」とは誰なのか論争なんてどうでもいい

もう一つ、この映画の感想でよく言われているのは、「悪人」とはいったい誰なのか?といった観点からの議論です。

タイトルが「悪人」なので結論が欲しい人にとってはこの映画で最終的に悪者は誰だったの?と考えてしまうのでしょう。

ただ、、

個人的にはこの論争に特に感心がない。

というか「純粋である人間ほど苦しい目を見る」というのがぼくの中で前々から結論としてあって、本当の悪人というのは表には出てこない部分にいる者たちなのだと思っているから。

とはいえ、無理矢理この映画の「悪人」は誰なのかというぼくなりの答えを出すとすれば、、裕一が悪人となる。(これはぼくの考えというか、世間一般的な意見はそうなんだろうという思い)

不本意ではあるけれど、やっぱりこれが実社会での悪人であって、色んな人間のブラックな部分の皺寄せが、祐一ひとりを殺人犯という形で作り上げたという風に思える。

これが先程書いたぼくなりの結論である、ピュアな人ほど痛い目を見るということに繋がります。

「バカにせんで」

ぼくはこの映画で一番といっても過言では無いほどに胸を打たれたセリフ。

九州の方言で「バカにしないで」という意味ですが、映画の中でこのセリフが二回出てきます。

一回目は、無惨にも殺されてしまうヨシノ(満島ひかりさん)が、祐一に言い放つ場面。

男に車から蹴りだされたのを心配して祐一が助けようとした姿に対して言った言葉ですね。

もう一回は、殺人犯と逃走する光代(深津絵里さん)が祐一に言う場面。

この映画を観た人の感想を調べまくったのですが、このセリフに対する感想を書いている人はいなかったんですが、まじで不思議w

めっちゃ心に刺さるシーンなはずなのに。

相手が殺人犯とわかってもなお相手を好きでいる、しかも出逢ってそれほど時間は経っていない、

もう今思い出しても切なすぎて苦しい笑

色んな人間がいることは分かってますが同じ言葉でこれほど響きが違うんですね。

光代と祐一が佐賀駅で別れたシーン

このシーンもヤバいですね。

出会い系で知り合った光代と祐一がホテルを出て、佐賀駅で光代をおろした後のシーン。

おたがい気持ちがすれ違った事に光代は涙し、一方で祐一は悔しがるのですが、この段階でもう二人は同じくらいに優しい心の持ち主なんだな、と思う。

お互いの心情を考えると、二人の純粋さが苦しすぎます。

クライマックスは絶望の中にある最後の優しさ

最後祐一は灯台の小屋で光代の首を締めているところを警察に取り押さえられます。

祐一が「俺はあんたが思っとるような人間じゃない」って言い光代の首を締めるシーンがあるんですが、この時の表情が正直かなり恐いんですよ。

一瞬観ているこっちも騙されてしまいそうなほど、全力で「救いようのない悪人」に見える。

これは逃亡を提案した光代を守る為の行動だったと思うんです。

ただ単純にストーリーだけを追っていてはわからない祐一の最後の行動ですが、それまでの優しさを考えるとぼくは100パーセントで光代を庇う行為だったと思うんですよ。

ほんとに暗くて苦しいけど泣ける映画です。

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